The marketing for niche restaurants

特定ニッチ飲食店構想の概論:限られた人だけにどうしても必要な飲食店

 このページでは、これから出現すると予測できるニッチな飲食店についてお話しします。8つのカテゴリーに分類しています。分類については別ページをご覧ください。予測の具体例は、このページ以降のページをご覧ください。

「どうしても」の理由がある。限られた人だけに必要なニッチな飲食店

 その人だけにどうしても必要な飲食店もあります。市場が限られます。顧客も限定されています。特定のカテゴリーだけのニッチな飲食店。ニッチな飲食店のなかのニッチな飲食店ですね。

市場と顧客:どうしても必要な飲食店。どうしてもそこで食べなければならない人

 宗教食、ベジタリアン・ビーガンのための飲食店などがこれにあたります。この人たちにとっては「どうしても、このお店」でなければなりません。

最近増えている食品アレルギーなどにより新しいニッチな飲食店が生まれそうです。

●ハラール、コーシャなどの宗教上の戒律食

 マレーシア、インドネシアから来日するムスリム観光客にとっては、ハラールという戒律があり、日本で自由に食事ができません。ハラル専門の飲食店が必要です。

 インドネシアの人口は2億5千万人を超えています。その9割がイスラム教徒です。経済成長とともに日本への観光客も増えています。後述しますが大きなビジネスに発展する可能性があります。
 
 イスラエル料理にはユダヤ教の食事の規定である「コーシャ(Kosher)」があります。コーシャには原料・製造方法などに細かい決まり事があり、認証が必要です。厳しく戒律を守るユダヤ系イスラエル人にとっては外食する場合、安心して食事のできる専門レストランが必要です。
   
 イスラエルからの訪日客は2019年で44,214人(日本政府観光局)でした。37,867人が観光客、5,401人が商用(ビジネス)です。2019年の訪日客数は約3,188万人でした。つまり、約0.1%です。日本からイスラエルへの訪問人数も26,100人と多くはありません。イスラエル料理は日本人にそれほどなじみがありません。イスラエル料理のお店はニッチな飲食店です。

●思っている以上に多い世界のベジタリアン

 江戸時代が終わるころまで日本人は肉を食べませんでした。幕末・明治維新になって、はじめて食べた牛鍋のおいしさに歓喜。それ以降は肉、肉、肉で現在の焼き肉時代に突入していますね。今日も繁華街には焼き肉の煙が立ち込めています。
   
 ところが世界は変わってきています。世界のベジタリアン人口は約6.3億人(国土交通省観光庁2018年。)。毎年約1%近く増えています。世界人口は2018年で76億人と言われています。約8%がベジタリアンです。ところが日本のベジタリアン人口は4%。う~ん、ここでも日本が遅れていますか…。
   
 ベジタリアンについては、前述の健康飲食店の予測でもお話ししました。本家はインド。約4億人がベジタリアンです。ということになります。膨大な数です。詳しくは欧米でももちろんベジタリアンが数多くいます。お隣の台湾は、14%がベジタリアンです。人口2,360万人ですから330万人もいます。欧米ではドイツが10%、カナダは9%となっています。
  
 ベジタリアン・ビーガンの飲食店は、いまはニッチでもこれから大きくなると思います。

訪日旅行者数上位の国と地域のベジタリアン等の比率
●増えていくアレルギーに対応できていない飲食店

 子どもを中心に食品アレルギーをもつ人が増えています。加工食品は表示されています。卵、乳、小麦など重篤度・症例数の多い7品目が表示義務。これ以外のアーモンドやくるみなどのナッツほか21品目が表示の推奨となっています。
  
 飲食店では、大手のチェーン店などで表示を見かけます。しかし小さな飲食店では対応できていないようです。これに対応する飲食店が「どうしても」必要になってくるはずです。
  
くわしい予測例は、このページ以降をご覧ください。

2022年6月2日掲載 2024年6月14日改稿

健康ニッチ飲食店構想の概論:健康食品があるのに「健康飲食店」がない

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