The marketing for niche restaurants

地域ニッチ飲食店構想の概論:多国籍の食文化が飲食店ビジネスを変える

 このページでは、これから出現すると予測できるニッチな飲食店についてお話しします。8つのカテゴリーに分類しています。分類については別ページをご覧ください。予測の具体例は、このページ以降のページをご覧ください。

多国籍の食文化が飲食店ビジネスを変える。世界からやってきたニッチな飲食店

 各国料理の店は小さな国の飲食店です。国としての知名度がありません。そのためお客さまを集めるのに苦労します。しかし、潜在力があります。独自のメニューの魅力や各国からやって来た経営者たちのガンバリがあります。

1.市場はあるのか。各国料理店はグローバル化とともに果てしなく拡大

 各国料理店の市場はグローバル化によってますます広がっています。料理の独自性から潜在力があります。うまくいくためにはマーケティングが必要です。

●拡大し成長する各国料理店。しかし市場の大きさは測れない

 「こんな国あったっけ?」。この本を書くきっかけも珍しい国の飲食店を見つけたからでした。
  
 各国料理の店。エスニック・ニッチとも呼ばれます。遠い国から日本にやってきて飲食店をはじめる人も多いようです。「どうしてやっていけるのか不思議」と思うこともあります。もちろん消えていくお店もたくさんあります。
  
 世界の国・地域は約200あります。中国の人口は14億人ですが、南太平洋の島国ニウエは人口1,600人です。グローバル化の時代。多くの国の人が日本にやってきます。国名になじみのない国の飲食店も増えています。
  
 各国料理の店の市場規模がどのくらいあるのかは測れません。定義が難しいからです。インド料理店はもはや数千店。外食産業の大きな分野です。スペイン料理店はもう珍しくありませんね。しかし、ポルトガル料理店となると珍しい。ましてや人口75万人のブータン国の料理店ともなると「あるの?」ですね。東京・代々木上原に本当にあります。
  
 30年ほど前には珍しかったベトナム料理店。米の麵のフォーやベトナム風のサンドイッチ、バインミーなどが女性に人気となりました。食べログで「ベトナム料理店」を検索するとすでに約900店がでてきます。もはやひとつのカテゴリーです。各国料理の店は日本になじむことで成長しています。
  
 全体の市場規模はわかりません。しかし市場が成長し広がっているのは実感できます。

●特徴的な独自の強み。マーケティングを生かす

 遠い国から来て飲食店をはじめる。難しいことばかりです。日本語がよくわらない。経営の専門家でもない。異国の地で多くの問題にぶつかると思います。家族や仲間の力でがんばるしかありません。
 
 各国料理店は、まさしくマーケティングを生かすことが重要なケースです。異国から日本にやってきたのですから「勘」や事前の知識はありません。
  
 近隣の飲食店やお客さまについて調べる。自分の店の特徴はなにかを認識する。店の告知をどうするか。さらに日本人向けにメニューのアレンジも考えなければなりません。およそマーケティングの手法と思えることにすべてについて検討する必要があります。
   
 しかし各国料理店は明るい希望があります。近所のほかの店とは圧倒的に違う独自のポジションがあるからです。お客さまが「なに、このレストラン」と思ってもらえることは独自の強みです。

2.顧客はだれなのか。珍しいものが食べたい日本人

 故郷の味を求める同朋が顧客の場合もあります。しかし多くの場合は日本人に来てもらう必要があります。成功するケースはお店が集まることです。これによって知名度、集客力が高まります。

●はじめてのお客さまばかりでうまくいくのか

 都内にある各国料理店の多くは日本人がお客さまです。経験ですが新規のお客さまが多いようです。
 
 一般の飲食店は、「いつも来るお客さま(固定客)」の存在が重要です。リピートするお客さまをいかに増やすかが飲食店ビジネスのポイントです。したがって各国料理店では少し違っているということです。
 
 その国を体験した日本人のお客さまも来ます。しかし、もっとも多いのは「こんな国の料理店がある。一度行ってみたい」というお客さまです。
  
 このお客さまの特徴は「一度でだいたい満足」です。それでも東京のような人口の多いところでは、新しいお客さまの品切れがありません。当面、新しいお客さまで回っていきます。「当面」はお店によって短い場合もあり、長い場合もあります。
 
 ある各国料理店で来店調査をしたことがあります。はじめての来店が約75%。2回目の来店が約10%。一般的に固定客といわれる3回目以上のお客さまが約15%でした。
   
 はじめて来店客が多いのに驚きました。「やっていけるのかな」と思うのですが、創業8年目。「当面」が続いているということでしょうか。
  
 ここに各国料理の店の難しさがあります。どんなに気に入っても異国の料理であるかぎり、いつも食べたいということはありません。半年に一度でも十分です。年に2度来店するお客さまなら固定客と呼べるかもしれません。
  
 したがって各国料理店は、はじめてのお客さまを集め続ける必要があります。なかなか難しいことです。一方、珍しいことからメディアに取り上げられたりもします。ネットでも注目され新規のお客さまがやってきます。お客さまがくれば継続できます。続かないと撤退せざるを得ません。

 「故郷の味を求めるその国の人」の場合もあります。アジアからやってきた人たちは、できるだけ生まれた国と同じものを食べたいと思っている人も多いようです。

 中国やインドのように日本にやってくる人が多い場合はお店も経営できます。しかし出身国の同朋が少ない場合はそうもいきません。やはり日本人にお客さまになってもらう必要があります。どうするかです。

●集まることの効果。認知と集客力が高まる。

 意外にも各国料理店でもにぎわっている事例があります。
   
ひとつの例がミャンマー料理店です。にぎわう理由は、珍しいミャンマー料理店が高田馬場駅周辺に集まっているからです。ここは「リトル・ヤンゴン」とも呼ばれています。これによって認知が高まり効率的な集客につながっています。
 
 江戸川区の西葛西でもインド料理店が集まっています。ここもリトル・インディアと呼ばれメディアで紹介されています。スパイス食材店やスイーツの店、スパイスを使ったラーメン店なども生まれ、さらに集客効果が高まっています。
 
 ひとつひとつは小さく珍しいエスニック・ニッチの飲食店ですが、集まることによって大きな力になっています。成功例だと思います。

高田馬場のミャンマー料理店
西葛西のリトルインディア

<参考文献>
ダナ・R・ガバッチア『アメリカ食文化―味覚の境界線を越えて』青土社 2003

2022年6月6日掲載 2024年6月14日改稿

健康ニッチ飲食店構想の概論:健康食品があるのに「健康飲食店」がない

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