幸福になりたくて!平河町の中華料理屋「幸福園」さんにいきました。なじみのお店ではありません。「幸福」を検索して決めました。名前は重要です。お店のコンセプトが決まるからです(以前のブログもご参考ください)。
 たっぷりのレタスチャーハンに麻婆豆腐がついてきました。おなかいっぱい。ちょっとシアワセになりました。

幸福園。いい名前ですね。
名前によってビジネスのコンセプトが決まる

 ところで「世界幸福度ランキング」というのをご存じですか。国連機関のSDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)が調査しています。2020年、日本は153の国と地域中、62位でした。1位はフィンランド、以下デンマーク、スイスと続きます。北欧諸国が上位です。過去のランキングも調べてみました(図1)。日本、ずっとあんまりいい成績ではありませんね。

世界幸福度ランキング
図1 出典:SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)

 あんまり幸福ではないというのは残念です。しかし、よくよく考えてみてください。不幸と感じている人が多いのなら、なんとビジネスチャンスではないですか。しあわせ上位の国ぐによりも幸福ビジネスの最先端開発国になれるということです。

 幸福ビジネス。難しいのは「なにが幸せか」です。お金、地位、欲望の満足。これだと昭和のおじさんですね。幸福は英語でウェル・ビーイング(Well Being)ともいうようです。ハッピーよりカッコイイですね。米国ではポジティブ心理学など幸福になるための研究が進んでいます。この研究では大きな目的を達成すること、イチローのようにひとつのことに専念すること、あるいは家族や友だちといい関係で過ごすことも幸福であるとしています。

 ニッチな飲食店ビジネスで幸福が達成できるでしょうか。

 「ねぇねぇ、おじさん。今日だけおじさんの娘になってあげる❤。シアワセでしょ」っていうビジネスもあるんでしょうが、飲食店ビジネスはここまで考える必要はありません……あるかなぁ…(ナイよ)。
 幸福のためには「会食」が効果的。家族や友だちといっしょの食事です。コロナ禍で仲間と気軽に食事ができなくなりました。会食の大切さが身に沁みます。会食ができないとひとりの食事、個食になります。

 個食はコロナ禍という理由だけでなく増えています。単独世帯が増加しているからです。今年の国勢調査がまとまると、単独世帯が核家族(夫婦と未婚の子)世帯を抜いて最も多くなる可能性があります(図2)。個食化。これが問題です。

世帯構成割合
図2 出典:厚生労働省 国民生活基礎調査

フランスの思想家、ジャック・アタリは『食の歴史』という本のなかで、個食化について、こういっています。

…人類史において5000年以上続いてきた会食という社交の場は消え去り、個食化はこれまで以上に進行するだろう。
 最初になくなるのは朝食だろう。各自がその日のスケジュールに応じた好き勝手な時間に冷蔵庫から食べ物を取り出して朝食をとるようになるのだ。
 次に、昼食がなくなるだろう。職場においても社員食堂は廃止され、従業員は各自の持ち場で弁当を食べるようになる。
 そして、家族で食べる夕食がなくなる。これと同時に、家族は崩壊するだろう。独り暮らしなら、少なくとも夜は個食だ。
………
 未来のノマドは、おもに糖分を摂取しながら暮らすことで、孤独を満たそうとする。というのは、われわれは孤独感からアルコールや薬物に手を出しやすくなるのと同様に、脂肪分や糖分の高い食品をもっと食べたくなるからだ。
………
 これまで以上に多くの人々が、不健康な食生活や、会食する機会が失われたことで陥る孤独から命を落とすに違いない。これと同時に、人類全体は過食で死に絶えるだろう。

ジャック・アタリ 『食の歴史』(第9章) プレジデント社 2020年

 個食化によってヒトは不幸になりそうです。個食が不幸と感じているならビジネスチャンス。ニッチな飲食店なら解決できるかもしれません。さらに社会課題であるならビッグビジネスです。

 個食化の問題。大きなテーマです。カンタンではありませんね。まずは、お店の名前を考えるのが第一歩だと思います。前述したようにコンセプトの方向性が決まるからです。

 私のアイデアは、……Youと会食「愉~快レストラン」…、しあわせは口に福「こうふく食堂」…、みんなで会食、ハッピーじゃないか「かいッピー・キッチン」…。今日は調子が悪いようです。またにしましょう(^_^)。