●神宮前「WORLD BREAKFAST ALL DAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)」

 やってくれましたね。いいですね。いままでにない考え方です。世界の国ぐにの朝ごはんを提供するレストランです。ニッチな飲食店をいろいろみてきましたが、これまでのカテゴリーにあてはまりません。

 2か月ごとに、いくつかの国の朝食をランチとして提供しています。メニューづくりには、現地の方がたが協力されているとのこと。なので本格的です。写真は、フィンランドの朝ごはんと台湾の朝ごはんです。おいしくいただきました。そのほかにベーコンとパンケーキのアメリカ、スープヌードルのタイの朝ごはんもありました。どれもおいしそうです。

●各国料理店の弱点はリピート

 東京には各国料理の飲食店がたくさんあります。名前は知っているけれど地図で指させない国のレストランもたくさんあります。

 小さな国のレストランの場合、ビジネスとして難しい場合もあります。日本在住の現地出身者も現地を知っている日本人も少ない。つまりお客さまの層が薄いということになります。人気店になるのはけっこう至難のワザです。

 おもしろそうなので「食べてみたい」という人はたくさんいるはずです。しかし、一度お店で食べてしまうと、よほど好きになれば別ですが、それで満足して2回目以降の来店がない。ここが問題です。

●ニッチな飲食店、成功のための3つのポイント

 「WORLD BREAKFAST ALL DAY」さんでは、朝ごはんに限定して、いろいろな国の朝食を2か月替わりで提供。各国料理店の弱点をここでカバーしています。これなら、お客さまのリピートが可能になります。

 価格の設定も見事です。ワンプレートで1,650円(税込)。ちょっと高めですが、毎日通うお店ではないことと、ニッチな飲食店であることを考えると適切な価格だと思います。このサイト内でも書いていますが、ニッチな飲食店では価格の設定が重要。お店が維持できるしっかりとした利益の設定が必要です。安売りになってはいけません。

 3つめは、プレートの盛りつけが美しい。これも大きなポイントだと思います。プレートのできあがりを想定してメニューを考えているはずです。お店の雰囲気も、このお店「らしさ」があります。「ブランド」ができているということですね。

 ニッチな飲食店にとって重要な要素をすべて満たしているお店だと思います。「すばらしいお店ですね」と伝えたいところです。お店の方はきっと「こんなの朝めし前ですよ」って答えられるんでしょうね。