1.大手外食がプロ・マーケッターを導入
吉野家さんが好調のようです。KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)さんも好調のようです。共通項はマーケティングです。
週刊ダイヤモンドの「外食の王様」特集(2020年1月11日号)。吉野家さんは新商品「超特盛」がヒット。さらに、ターゲットに向けて新メニューなどの施策を次々と打っています。夜食にも焦点をあてているようです。世の中では、ひとりで食事をする「ソロメシ」化が進んでいます。その対応策ではないかと思っています。
KFCさんも高価格イメージを払拭するために「500円ランチ」を提供してヒット。最近、話題になった南町田のグランベリーパークにはレストランもオープンさせています。ファストフード店ではなく、レストラン業態進出はニュースです。新たな展開を構想中とお見受けしました。
2社ともプロ・マーケッターが外部から入り、マーケティング活動を積極的におこなっているとのこと。これが好調の要因だと思います。外食産業はもっとマーケティングを活用すべきです。
2.食べログ何点?では、うまくいかない
仕事柄で感じるのは、中小の飲食店事業者さんが、おいしさや価格にこだわりすぎていることです。食べログ何点、ミシュランの星があるのかないのか。これを考えていると最終的に勝つのは大企業だけです。大企業は経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)が十分にあるからです。
中小の飲食店が味や価格にこだわるのは当然だと思います。腕に自信があればこそ始めたビジネスでしょうから。おいしさと価格でお客さまに来店していただくことは確かに大切。しかし、これだけではうまくいかないことはおわかりかと思います。昨今の消費増税や新型肺炎の影響もこれから大きくなっていくと思います。
3.ニッチ・マーケティングで独自のポジションを
考えるべきことが3つあります。自店のコンセプトは何か、お客さまは誰なのか、お店が提供する真の価値は何かです。えらそうに書いてありますが、ドラッカーの「経営者に贈る5つの質問」の上から3つを引用させてもらっています。
特に、重要なことは自店のコンセプト。我田引水で申しあげるならニッチ・マーケティングの活用です。あるいは、生き残るための独自のポジショニングの構築です。この「独自」が重要です。
生態学の考え方では、地球上の生き物のすべてが、必ず「独自」のポジションをもっています。逆のいい方では、独自のポジションをもつものだけが生き残ることができるのです。これがエコロジカル・ニッチの考え方です。飲食店事業も、この考えもとにしたニッチ・マーケティングをおこなうべきです。
ニュースを見て残念でした。しかし、「世界にひとつだけの花」の考え方が重要です。飲食店ビジネスにも、「たったひとつの花=独自」が必要です。
外食産業に、もっとマーケティングを。中小の飲食店ビジネスに、もっとニッチ・マーケティングを。
う~ん、すいません。またしても自画自賛の手前みその内容でしたかね。オチもないですし。次回がんばります。