多くの人は、「ニッチはすき間ビジネス」と思っています。マーケティングの神様、P・コトラーの競争地位別戦略の考え方です。市場のプレーヤーをリーダー、チャレンジャー、フォロワーとニッチャーの4つに分類。小さなシェアのプレーヤーをニッチとしています。

ここから、儲からない、マイナービジネスなどのちょっと貧乏くさいイメージになってしまっています。

「ニッチ」という言葉を調べていくと正しくは「生態的地位」。生き残りのために他者がいない独自のポジションを確保することです。
「ニッチ」という概念が生態学のなかで成立した同じ頃に、コトラー先生も「ニッチャー」という言葉を使いはじめたようです。マーケティング用語になったことで、生態学のニッチと意味合いがズレてしまったのだと思います。

AIが活躍するきたるべき社会。独自のポジションを目指すニッチの考え方は、重要な戦略になると思います。

参考にした2冊の本
「ニッチ(Niche)―新しい市場の生態系にどう適応するか」ジェームズ・ハーキン
2013年出版でちょっと古い本。マーケティングに関する本ですが、ニッチについて生態学の視点で書かれています。
「弱者の戦略」稲垣栄洋
生態学の本。すべての生き物がそれぞれのニッチをもっている。生き物はナンバーワンになるためにオンリーワンになる。弱者が敗者にならないための戦略がニッチとしています。

「ニッチ」ジェームスハーキン+「弱者の戦略」稲垣栄洋