1.はじめに

 山梨県の、しかもちょっと山あいの町から出て来た私。
自然薯や長芋が大好きです。
先日、近所にある山芋専門料理店に伺いました。
その名も「山芋の多い料理店」。
わかりやすい。覚えやすい。良いネーミングだと思います。

2.強みは「山芋単品」専門店

 お客さまにお店の名前を覚えてもらうのは結構大変です。
「あの店の名前なんだっけ」って、いつもの店なのに
よく覚えていないことってありませんか。
覚えやすい店名は大切です。
業態=店名。これは強みだと思います。
メニューは自然薯とろろ鍋、定番の山かけ、長芋からあげなどなど。
後から気が付きましたが自然薯クラフトビール、
自然薯焼酎もあるとのこと。
「しまった、飲んでみたかった!」です。
他のお店ではマネできない
山芋単品専門店だからこその強みがありますね。

3.お客さまは健康志向派か

 山芋料理店をネットで検索してみても系列店が川崎に一軒あるだけです。
都内では自然薯(自然生)の専門店が3軒あります。
「山芋」とカテゴリーを絞った時点で競合店がなくなったということです。
一般の飲食店の経営で難しいところは、競合店の対策です。
このお店のようにはっきりと差別化ができると
競合についてあまり考える必要がなくなります。

4.競合店がない

 山芋料理店をネットで検索してみても系列店が川崎に一軒あるだけです。
都内では自然薯(自然生)の専門店が3軒あります。
「山芋」とカテゴリーを絞った時点で競合店がなくなったということです。
一般の飲食店の経営で難しいところは、競合店の対策です。
このお店のようにはっきりと差別化ができると
競合についてあまり考える必要がなくなります。

※「山芋の多い料理店」Webサイトより

5.むむむ!香味野菜が主役?

 単品野菜専門のお店というと、パクチー(香菜・コリアンダー)料理の
専門店が少し前に話題になりました。
独特の味わいや美容効果などから女性の間で人気となり、
「パクチー女子」という言葉も生まれました。
東京都内にある単品野菜専門のお店をネットで調べてみました。

 この表をじっと見ていて気が付いたのですが、
にんにく、パクチー、ねぎ、しょうが、たまねぎなどの
いわゆる薬味になるような香味野菜が多いと思いませんか。
香味野菜は大辞林によると
「料理に香りや風味を加えるため、調理に用いる野菜類。
ニンニク・ショウガ・セロリ・パセリなど」とあります。
香味野菜には「健康・美容」などの薬効的なイメージがあります。
パクチーのようにクセや臭いもあり嫌いな人もいますが、
「だから好き」という人が少なからずいます。
ここにお店の存在価値があると思います。

6.「おいしいお店」ではない新しいビジネスモデル

 ニッチな飲食店のビジネスモデルを考える場合、
「珍しい」や「変わっている」というキーワードが出てきます。
しかし、単品野菜専門店のように別のスケールがあっても良いと思います。
以前紹介した「鹿屋アスリート食堂」「マクロビのお店(有機食品)」などは
食べることのカラダへの影響について良く考えているお店です。
別のスケールは「健康・美容」だけではないと思います。
深く考えると飲食店の新しいビジネスモデルがたくさんあると思います。

※鹿屋アスリート食堂(左)有機食品の各国での市場規模(出典:「オーガニックマーケットの 国内育成に関して」イオントップバリュ㈱ 食品H&BC商品本部 植原 千之)