The marketing for niche restaurants

ニッチな飲食店のビジネスを進める手法

 小さなカテゴリーでナンバーワンであること。競争地位別戦略です。
ナンバーワンなら利益率が高くなり、お客さまにお店のことも覚えてもらえます。

1.競争なきナンバーワンのお店であること

 ニッチな飲食店のビジネス手法はただ一つ。
「世界に一つだけの花」になることです。

 心ひかれる言葉だから使うわけではありません。
元になっているのはマーケティングの専門家、F・コトラーの競争地位別戦略です。
市場における企業をリーダー、チャレンジャー、フォロワーとニッチャーという4つに分類。
小さな市場で高いシェアを確保して生き残るのがニッチな企業、ニッチャーです。

※「ニッチャーの戦略」はF・コトラーが競争地位別戦略として詳しく分析しています。

 ニッチな飲食店も同じです。
限られたカテゴリーのなかでナンバーワンになること。
できればオンリーワンがベスト。
東京新橋に日本でただ1軒のクロアチア料理専門店があります。
たった1店舗だけなので、独自で目立ちます。
お客さまも関心を持ってくれます。

2.競争なきナンバーワンであることのメリット

(1)オンリーワンは戦わずに高い利益率を確保する

 孫子の兵法は「戦わずして勝つ!」。
他のお店と激しく競いあっていては、疲弊してしまいます。
飲食店に限らず、どこの業界でも同じです。
かつて、デフレのさなかに牛丼チェーン店3社で値下げ合戦を行い、
3社とも消耗してしまったことを記憶されている方も多いと思います。

 競争することがないナンバーワンであれば高い利益を確保することができます。
ここでしか食べられない小籠包なら、お客さまは予算はひとまずおいて
「食べたい!」となるからです。
競争を避け高い収益率を確保することはニッチャーの基本戦略です。

(2)お客さまはトップブランドしか覚えない

 代々木上原にあるブータン料理店、テレビで取り上げられたこともありますが人気です。
あのブータン王国のレストランということで人々に強く記憶されます。
知名度があがり、ブランドとなります。

 一般的に人間は、ナンバーワンのブランドしか覚えていません。
ニッチな飲食店であっても、そのカテゴリーでナンバーワンならば
お客さまに覚えてもらうことができます。

3.ナンバーワンのニッチな飲食店になるために

(1)カテゴリーを絞り込む

 新しいニッチな飲食店カテゴリーを作り出すことも考えられます。
未来を見据えて、昆虫食のレストランでしょうか。
確かに可能性はあります。しかし、市場があるのか、まだよくわかりません。
アップルが作ったiPhoneのように、新しい分野で市場を作ることになります。
ですが、みんながスティーブ・ジョブズではないので大変です。

 それに比べると、すでにある大きな市場から小さな市場を切り出すこと。
その市場の中でナンバーワンを目指すことは、難しくありません。
すでにそこに市場が存在しているからです。

 東京新橋のクロアチア料理店も、地理的に近いイタリアと作りが似ています。
しかし、イタリアではなくクロアチアなのでしっかりと差別化ができています。
カレーではなく北海道スープカレーの店。
中華料理ではなく小籠包の専門店。
インド料理ではなくビリヤニ(チャーハン)の専門店。

 すでにお客さまが存在する既存のニーズから、さらに絞っていくこと。
ニッチな飲食店になるためのヒントは数多くあるといえます。

(2)バリアを作って、自分を守る

 せっかくいい所に目をつけてビジネスをはじめたのに
他のお店がたくさん競合店になっては困ります。
そうならないようにバリアを作る必要があります。
参入障壁です。

 経営学者のマイケル・ポーターが、これについて整理してくれています。
投資により立派なお店にする、独占的な技術を使う、経験によってコストを削減する、
特別な流通経路で食材を仕入れるなどです。

 小籠包の専門店はすでに全国で20店舗を展開。
このカテゴリーで他の会社が追いつくことは難しくなっています。
ふぐ料理店は誰にでもできるお店ではありません。
調理師免許が必要であり独占的な技術です。
しょうが料理専門店は大量にしょうがの仕入れし、連続的に調理するすることで
材料費と人件費を削減しています。
日本橋にある北海道厚岸産のカキだけを使ったお店、
独自の仕入れルートで他のお店がマネできません。

他のお店が、ウチでもちょっとやってみようと思われないようにすることです。

(3)お客さまとの交流を深める

 ニッチな飲食店といえども飲食店であるならば、大切なのはお客さまとの関係性。
といいますが、2割のお客さまが8割の売上げを作るといわれています(パレートの法則)。
「なじみのお客さま」をいかに作り出して、維持していくかがポイントです。
またニッチな飲食店であれば、新しいお客さまの獲得も重要です。

 ネットの技術が進んでいます。
デジタルデータなどによってお客さまとの交流を深めることがカンタンになりました。
また、お客さまからも「ちょっと変わった飲食店」を探しだすことが
容易にできるようになりました。

 しかし、デジタルがすべてを解決することはできません。
お客さまとの交流を絶えず続けることが、競争のないナンバーワンになる方法です。

参考:「競争しない競争戦略」 山田英夫著 日本経済新聞出版社
参考:市場のニッチ性と事業の革新性「MBAビジネスプラン」 株式会社グロービス著 ダイヤモンド社

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