調査して分析する。「面倒くさそう」ですね。でも、即効性はなくても、じわじわと効いてくる作戦です。「やっといて良かったぁ」と思えるはずです。
1.来店分析。お客さまはどうやって来たか
お客さまアンケートです。「おいしかったですか?」とか「サービスにご満足いただけましたか?」と聞くのが目的ではありません。「ニッチな飲食店」では無用です。
お客さま(ターゲット)を知るのが目的です。マーケティングではターゲットが重要です。ニッチであれば限られた層になります。お客さまについて深く知ることで、さまざまな施策を行うことができます。
調査して役にたったのは「お店に来たきっかけ」でした。来店分析です。順に口コミで50%、食べログが18%、店頭ツール15%、ホームページ4%(n=114複数回答)でした。この調査でいろいろな施策がやりやすくなりました。
来店回数も参考になりました。「ニッチな飲食店」だからなのか、「はじめて来た!」の新規顧客が75%となりました。最近は一般の飲食店でも新規顧客が多いようです。しかしこれほど新規顧客が多くて大丈夫なのかと心配にもなりました。
それでも、いまのところ客数は減るどころか増加しています。東京だからなのでしょうか。1400万人の人口をかかえる東京は見込み顧客(リード)でいっぱいということのようです。
見込み顧客を新規顧客にするためには認知の拡大が必要です。施策の方向性は明確になりました。ネットメディアの活用です。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」ですね。
2.売上分析。「異常値」を調べる
どんなメニューが売れているのかなどの売上分析は当然なのでアレコレ言う必要はないと思います。
小売店では、ある日突然売上が急にあがったり、ひとつの品目が大量に売れたりした場合、そのデータを「異常値」とよびます。これを調べることによって新しい売上アップの方法がわかります。
「ニッチな飲食店」でも一般の飲食店でも、急にお客さまがいっぱい来たときは「良かった」だけではなく「なぜだろう」と調べてみる必要があります。
有名人がメディアで「なにか」についてしゃべったかもしれません。どんなことをしゃべったのかを調べることで売上アップのヒントになります。
近くでなにかイベントがあったかもしれません。イベントなら来年もあるのかもしれません。
原因がわかれば新しい売上アップのヒントになるはずです。
3.ベンチマーク調査。あの店なにしてる?
ベンチマークとは同じ業態で目標となる店がどんなことをしているかをチェックして、その手法をもとに自店を改善させていく方法論です。
「ニッチな飲食店」なら都内でも店舗数は限られています。しかも近所にありません。はるか遠く電車で1時間以上でも競合店です。
お客さまは、限られた店だとしても、どの店にしようかと口コミやネット情報などで検索に検索を重ねています。
競合店のネット情報はいつも確認しておく必要があります。かつて新メニューを出したとき、ライバル店のサイトを見たら同じようなメニューが新メニューとしてすぐに出ていました。ベンチマークされていたんですね。
互いに切磋琢磨は良いことです。競合店と激しく戦っているわけではありません。ニッチは戦ったり競争したりしないものです。できれば仲良くしたいものです。
4.通行量調査。意外な発見もある
出店前なら絶対に必要です。店ができてからでも意外な発見があるかもしれません。
支援している経営者から「店の前はメイン通りではない。人通りは少ない」と聞かされていました。念のため店の前や近隣の複数個所で通行量を調査してみました。
結果は意外にも店の前は、計測したなかでは上位の通行量でした。想定以上に人通りがあるということです。店舗前はその先にある住宅街への主要な道になっていたからです。
それまでは「隠れ家的な店」。しかしこの結果から店舗前は重要なメディアと考えられます。告知を十分にすれば「店は知っていたけど入ったことがなかったから」というお客さまが獲得できるはずです。
この売上アップ作戦は実際の店支援の経験や学びから記述しています。新しい発見があればまた変更します。ご了承ください。
2024年9月13日掲載